退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

新型コロナウィルス感染症のワクチン接種が始まって思ったこと

ようやく日本でも「コロナ感染症の切り札」とされるワクチンの先行接種が始まった。 ワクチン接種について思ったことを書いてみる。

ワクチン接種開始

国立病院などの医療機関に勤務する医療従事者から先行接種が始まり、その様子はテレビ中継されていた。

テレビで生中継する意味があるのかと思いながら見ていると、まず病院長クラスが率先して接種を受けていた。まあ職員たちにはワクチン接種を受けろと言いながら、自分は接種を受けないというわけにはいかないのだろう。


ワクチン接種きょう開始 痛みは? 副反応は? 千葉・市原市

続いて若い医療スタッフたちも接種を受けていた。もちろん強制的に接種を受けさせるわけにはいかないので、形式上は職員たちは接種を受けることに同意したのだろうが、本心から納得しているのか大いに気になる。リーク情報を待ちたい。

今回、日本全体で医療従事者4万人が一般の人に先立ちワクチン接種を受けるとのこと。安全性も有効性も明らかになっていない段階で、「お気の毒」としか言いようがない。まあ自ら選んだことなので外野からあれこれ言えるものでもないが、「人柱」ごくろうさまと申し上げたい。


「コロナ感染症の切り札」 ワクチン先行接種開始 (2021年2月17日)

ベネフィットとリスク

ワクチンは異物を体内に入れるのだからリスクがまったくないというわかにはいかない。そうなるとワクチン接種のベネフィットとリスクを天秤にかけて接種するかしないかを決めることになる。

データが示すように日本は欧米各国に比べて感染率も重症化率、死亡率は極めて低い。人口あたりの死亡率で言えば30〜40倍程度の差がある。欧米では感染状況を考えれば、接種するベネフィットがリスクを上回るのかもしれない。しかし日本は感染リスクは低い。それにもかかわらず安全性も有効性もあやしいワクチン接種を受ける必要はあるのか疑問である。

加えて若年層のリスクはさらに低い。日本の若年層はリスクをとってまでワクチン接種の必要がないように思える。先行接種のテレビ中継では、高齢者の病院長などは先も短いしワクチン接種してもいいのかもしれないが、若い医療スタッフなどはリスクがベネフィットを上回ると考えられる。これが宮仕えのつらいところか。本当は接種を受けたくないのに、仕方なく受けているのはないか。そうでないことを祈りたい。

まあ医療現場でウイルスに暴露する機会も多い医療従事者だから、感染リスクを軽減したいという気持ちもあるのだろうが、私なら謹んで遠慮したいところだ。


“接種ためらう”医療従事者も・・・ワクチン先行に不安(2021年2月17日)

mRNAワクチンのリスク

ワクチン接種には、一定数のアナフィラキシーショックなどの重度のアレルギー反応は避けられない。今回はその対策は一応取られており、接種現場で副反応に対する医療処置がとられることになっている。ワクチン接種を受けなくても、たいしてリスクがないのに、アレルギー反応のリスクをとってまでワクチン接種する必要があるのだろうか。

さらに今回のワクチンがmRNAワクチンだというのも気になる。従来から接種されているのはワクチンは、生ワクチン、または不活化ワクチンであるが、今回投与されるのは、mRNAワクチンに分類される新しい種類のワクチンである。

mRNAがゲノムに取り込まれるおそれがあるという言説が広まっている。科学的にこうした可能性があるのかわからないが、少なくともこれだけ大規模にmRNAワクチンが投与されるのは人類初であり、十分な治験も行われていない。長期的に何が起こっても不思議ではない。こうしたリスクがあることも知っておくべきだろう。

政府を信用できるかの問題

政府はワクチンを「コロナ感染症の切り札」と謳い、ワクチン接種を推進している。これは国策と言ってもいいが、国民が接種に応じるかは、政府を信頼できるかどうかにかかっている。これまでの政府を見て信用できると言う国民はそれほど多くはないだろう。

その政府も、あたりまえのだがワクチン接種を強制することはないようだ。自分自身で情報を集めて、それを十分に検討したうえで、ワクチン接種を受けるかどうかを決めてほしい。

Syringe and Vaccine