東京オリンピックの猛暑対策としてマラソンと競歩の会場を札幌に移す案が正式に決定した。小池都知事では、1日に開催されて4者協議の中で、
IOCの決定に同意することはできないが、最終決定権限を有するIOCが下した決定を妨げることはしないという東京都としての決断を行った。あえて申し上げるならば、合意なき決定だ。
と述べた。
【報ステ】札幌で決定 小池知事「合意なき決定」(19/11/01)
この協議のあと、IOCのコーツ氏は4つの合意点を発表した。
- 会場変更の権限はIOCにある
- 札幌移転の追加経費は都に負担させない
- 既に都、組織委が支出したマラソン、競歩に関する経費で今後、都が活用できないものは都に負担させない
- マラソン、競歩以外は都外に移転させない
札幌移転案が唐突に出たとき、下の記事を書いた。
疑問のひとつは、「費用負担はどこがするのか?」ということだったが、少なくとも東京都が負担することはなくなったようだ。これまで支出した経費がどのくらい戻ってくるかは不透明だが、このあたりが東京都としては落とし所であろう。あとは札幌が勝手にがんばってほしい。
それにしても開催都市でマラソンが実施されないのは前代未聞。馴染みのある東京の街並みのなかをマラソン選手が走り抜けるという画を楽しみにしていたのに残念だ。
もっとも私は五輪開催自体に反対だったが、やるからにはちゃんとやれと思っていた。しかし、この体たらくである。マラソンのない五輪は「イチゴのないショートケーキ」のようなものだ。東京でやる意味がない。
小池都知事がブチキレて五輪をまるごとIOCに返上すればいいのにと、密かに思っていたが、さすがにそれはできなかったようだ。