DVDで映画『ターン』(2001年、監督:平山秀幸)を鑑賞。北村薫の「時と人三部作」のなかの一作を映画化。主演は牧瀬里穂。もう公開は20年前ですか……。
銅版画作家の真希(牧瀬里穂)は小学校の教師の母(倍賞美津子)と二人暮らし。仕事に車で出かける途中、トラックと衝突する交通事故に遭う。その瞬間、前日の同じ時刻に引き戻されてしまう。日常と変わらない風景だが、その世界には真希のほかに人間がひとりもいなかった。同じ一日を何度も繰り返えすうち、ある日、一本の電話がかかってくるが……。
よくこんな映像化しにくい地味な話を映画化したのかと呆れるが、主演・牧瀬里穂の好演のおかげかちょっといい映画に仕上がっている。映画全体に静謐な雰囲気がよくでている。
牧瀬里穂はJR東海のCMで一世を風靡したアイドルだったが、この映画の撮影時は28歳ぐらいだろうか。役作りのためなのかボーイッシュな髪型が印象的だったが。特典映像の公開時の舞台挨拶では髪が肩ぐらいまで伸びていた。
真希がひとりぼっちになったと思われた世界で、ある男(北村一輝)と出会う。いかにも悪人顔なので何かしでかしそうと思っていたら、案の定そのまんまの役だった。わかりすぎるだろう。真希がムラムラした男に襲われそうになるシーンがあったが、色気がなくてちょっとガッカリ。脱げとは言わないが、役者として歳相当の色気を見せてほしかった。
映像技術的には誰もいない街に興味を惹かれる。特典映像にメイキングが収録されていて、当時の映像技術を駆使している様子が収録されていた。いまの技術ならば、もっと簡単に実現できるのだろうか。大いに気になるところである。