DVDで映画『アントマン』(2015年、監督:ペイトン・リード)を鑑賞。「マーベル・コミック」のアメリカン・コミックヒーロー『アントマン』の実写映画化作品。主演はポール・ラッド。
窃盗罪で服役していたスコット・ラング(ポール・ラッド)は、無事刑期を終えて出所。更生しようと再出発するが、職場では前科が知られたとたん解雇され、離婚した妻を訪ねても冷たい仕打ちを受ける。娘のキャッシーが懐いてくれることが救いだが、養育費の未払いを理由に娘に会うことさえ禁止されてしまう。
そんな境遇から、スコットは窃盗団に加わり豪邸に忍び込む。そこで盗んだスーツを着てみると身体が蟻のように小さくなる。スーツを開発したピム( マイケル・ダグラス)から、ある組織の陰謀を阻止するように協力を求められる。スコットは愛する娘のためにアントマンとして活動することを決意するが……。
アントマンには馴染みがなかったが、ヒーロー誕生物語としてわかりやすく撮られているのは美点。娘のために奮闘するというのはあまりにベタではあるが、ストレートなヒーロー映画として楽しめる。
冷静に見ると、「別にアントマンいなくてもアリたちやハッカーがいればいいじゃね」と思わなくもないが、それは言わないのがお約束なのだろう。
さすがに予算を潤沢に使った映像技術は素晴らしい。正直、大きくなったり小さくなったりするアクションシーンは見ていて疲れた。映像的にはすごいのだがエクスタシーは感じない。大きなスクリーンで見るとまた違った感想を持つのかもしれないが。
こうした身体が小さくなる映画の発想は、SF映画『ミクロの決死圏』(1966年)にまで遡ることができるだろう。現代の映像技術で『ミクロの決死圏』を見てみたい。
いまならば新型コロナウイルス感染症と戦う「決死隊」の活躍を描く映画ができるかもしれない。またこの映像技術があれば、『はたらく細胞』の実写化も可能かもと妄想を膨らませた。