中村吉右衛門主演の新春ワイド時代劇「忠臣蔵 決断の時」を見る

年末といえば「忠臣蔵」だが、BS12で 中村吉右衛門主演の「忠臣蔵 決断の時」が始まった。2003年にテレビ東京系で放送された新春ワイド時代劇。

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歌舞伎では何度も大石内蔵助を演じてきた二代目中村吉右衛門が、映像作品で内蔵助を演じるのは初めてという作品。脚本は古田求。オーソドックスな「忠臣蔵」であるが、歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」の要素を取り入れた演出がなされている。

主要キャストは大石内蔵助（中村吉右衛門）のほか、浅野内匠頭（上川隆也）、吉良上野介（橋爪功）、さらに女優陣は大石りく（黒木瞳）が、瑤泉院（牧瀬里穂）という布陣。そのほかに、瑤泉院（阿久里）の腰元役で純名りさ（現・里沙） が出演しているのが個人的にはポイントが高い。

物語はオーソドックスで、赤穂において浅野内匠頭と内蔵助の主従関係の関係を描くところから始まり、江戸で勅使饗応役を命じられた浅野が、吉良上野介にこっぴどくイジメられるという流れ。

ユニークなのは、吉良が阿久里の思いを寄せて執拗に言い寄る場面。いくらなんでも歳がちがいすぎるだろう。しかも牧瀬は時代劇の扮装にまるで似合ってなくて草の生えるレベル。黒木瞳ならわかるけど牧瀬里穂はないわな。草が生えるといえば、あややこと松浦亜弥の演技もひどい。アイドル枠だから仕方ないのだろうが、もう少しなんとかならなかったものか。

「松の廊下」のシーンもちょっと笑える。吉良が浅野に対して、公の場でここまでやるかというほど煽りまくる。「斬れるものなら斬ってみろ」というばかりに、体を密着してくる演技がくどい。吉良の人物像はこれでいいのかしらん。

まだ「刃傷 松の廊下」が終わったばかりで、主役の内蔵助が本気だす前なので評価を下すのは早すぎるが、緊張感のない忠臣蔵というのが第一印象だ。