MVNO関連の業界団体が接続料や音声卸料金の引き下げを総務省に要望した。今後のMVNOの経営の見通しが苦しいことがうかがえる。
これは昨年末から動きが顕著になった携帯電話業界で、携帯電話大手(MNO)各社による「廉価プラン」(NTTドコモのahamo、auのpovo、ソフトバンクのSoftBank on LINE)の発表をうけてのことだ。現行の接続料や卸料金では、MNOに対抗すること困難であろという主張である。
そもそもMNOとMVNOを棲み分けがはっきりしてないことが根本原因思だろう。これまでは低容量の「廉価プラン」はMVNOの縄張りという暗黙の了解があったようだが、これも総務大臣のゴリ押しによりなかば強制的に通信料金の値下げされてる事態に至り、業界全体のバランスが崩れた。
今回MVNOの縄張りを露骨に荒らしにきたのは、2月から始まるUQモバイルの「くりこしプランS」であろう。3GB 月額1480円ぽっきり。使い残した分を翌月に繰り越せるというお得なプラン。UQモバイルはMVNOではなく、MNOのサブブランドであることに注意したい。昼休み中でも通信が遅くなったりしないのだろう。
私は長らくMVNOを使ってきたが、UQモバイルの「くりこしプランS」のほうが安くて速そうなので、これは乗り換えるしかないと思っている。今後ドコモも同様の低容量プランを「エコノミー」として提供するといううわさもある。まさに戦国時代。
ここでMNOとMVNOとの関係について言及すれば、競合相手から「商品」を卸してもらってビジネスで勝てるはずがないという構造上の問題がある。いままではMNOは高額プランで十分な利益を得ていたが、総務省の干渉により利益を得るの難しくなり、MNNOの縄張りに手を出すに至ったというのが実情だろうか。
一見、通信料金が安くなって消費者は短期的にはハッピーかもしれないが、長期的には3社の寡占が進み、いずれしっぺ返しを食らうのではないかと心配している。公平な競争の結果としての各社値下げなら問題がないが、今回のような政府の過度の介入すれば、重大な副反応が引き起こすだろう。