退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

平山みきのカバーアルバム「昭和歌謡を唄う」がすごかった

デビュー50周年を迎えた平山みきが昭和の名曲を歌い上げたカバーアルバム。ラッキーカラーだという黄色が冴えているジャケットである。

橋本淳と筒美京平の秘蔵っ子として、シングル「ビューティフル・ヨコハマ」でデビューしたのが1970年だというから驚く。時の流れは速い。聞いてすぐ彼女だとわかる特徴的な声はそのままに、以前よりもパワーアップしているように感じた。ハスキーで低く太い歌声はいまなお魅力的。本当にすごい。

収録曲はつぎのとおり。

01. プロローグ (ナレーション:横山 剣)
02. ブルーライト・ヨコハマ 作詞:橋本 淳 作曲:筒美京平
03. 恋のバカンス 作詞:岩谷時子 作曲:宮川 泰
04. 君に会いたい 作詞・作曲:清川正一
05. グッド・バイ・マイ・ラブ 作詞:なかにし礼 作曲:平尾昌晃
06. さらば恋人 作詞:北山 修 作曲:筒美京平
07. 長い髪の少女 作詞:橋本 淳 作曲:鈴木邦彦
08. 喝采 作詞:吉田 旺 作曲:中村泰士
09. 白い蝶のサンバ 作詞:阿久 悠 作曲:井上かつお
10. 時の過ぎゆくままに 作詞:阿久 悠 作曲:大野克夫
11. 愛の太陽 作詞:五木寛之 作曲:多保孝一
12. エピローグ (ナレーション:横山 剣)

昭和歌謡のほかに、新曲「愛の太陽」もベンチャーズ風味でイカしてる。


平山みき 11/13発売NEW ALBUM『昭和歌謡を唄う』より新曲「愛の太陽」録音風景

カバーアルバムの肝はアレンジだと思うが、新曲以外はなんと船山基紀がオリジナルを活かした編曲をしている。ベテランらしいいい仕事で安心して聞いていられる。

プロローグ&エンディングにはクレイジー・ケン・バンドの横山剣によるナレーションが収録されている。これはまさに昭和風味だが、だれの趣味だろうか。

リーフレットには、彼女の生い立ちからいまの仕事までを語った記事が載っていて、こちらも興味深く読んだ。近田春夫プロデュースのアルバム「鬼ヶ島」(1982年)をきっかけに平山三紀から平山みきに芸名を変えたのは初めて知った。

謡曲ファンにオススメの一枚です。