作詞家の山川啓介さんが死去した。72歳だった。青い三角定規「太陽がくれた季節」、中村雅俊「ふれあい」、矢沢永吉「時間よ止まれ」、岩崎宏美「聖母たちのララバイ」などをヒット曲を手がけた。加えて、子ども向けのアニメ・特撮ヒーロー番組の楽曲の作詞をしたことでも知られている。
以下、山川さんの作品を振り返ってみたい。昭和は遠くなるばかりである。
まず特撮モノでは「宇宙刑事ギャバン」OPを抑えておきたい。「男なんだろ? ぐずぐずするなよ」という歌詞はいま聞いてもしびれる。「宇宙刑事シリーズ」だけでなく、東映特撮ヒーロー番組の楽曲を数多く残している。
歌謡曲に目を移すと、やはり青い三角定規の「太陽がくれた季節」(作曲:いずみたく)は忘れられない。青春ドラマ『飛び出せ!青春』の主題歌だった。
太陽がくれた季節 青い三角定規 1972 西口久美子 岩久茂 高田真理 昭和ポップス
また野口五郎の「グッド・ラック」(作曲:筒美京平)も見逃せない。私が筒美京平の信奉者ということもあるが、野口五郎のヴォーカルの魅力を引き出した名曲である。
最後にちょっと珍しいところで、郷ひろみの「哀愁のカサブランカ」も取り上げたい。オリジナルは洋楽だが、山川啓介の訳詞が味わい深い。当時の郷ひろみの心情とマッチして大ヒットした。カラオケで歌う人も多いようだが、心に残る曲である。