岩崎宏美のカバーアルバム「Dear Friends」シリーズの第8作。第1作が2003年春にリリースされて以来、このアルバムで8作目になります。本作はタイトルのとおり、巨匠・筒美京平の楽曲を集めたアルバム。ツツミストとしては見逃せません。
- アーティスト:岩崎宏美
- 発売日: 2019/08/21
- メディア: CD
岩崎宏美はデビュー曲「二重唱(デュエット)」から、8枚目のシングル「想い出の樹の下で」まで、阿久悠と筒美京平のコンビから楽曲提供を受けていました。彼女の歌唱力は当時から折り紙付きでしたが、世に出たのは楽曲の力も大きかったと思われます。
岩崎宏美 / カバーアルバム「Dear Friends VIII 筒美京平トリビュート」全曲試聴
「Dear Friends」シリーズでは、すでに阿久悠トリビュートをリリースしており、ようやく筒美京平トリビュートが出たかというところです。
- アーティスト:岩崎宏美
- 発売日: 2014/08/27
- メディア: CD
本作には筒美京平によるヒット曲が収録されています。
- 東京ららばい(中原理恵/1978年)
- 雨だれ(太田裕美/1974年)
- 夜明けのMEW(小泉今日子/1986年)
- 真夏の出来事(平山三紀/1971年)
- 女性(南沙織/1974年)
- 雨がやんだら(朝丘雪路/1970年)
- 人魚(NOKKO/1994年)
- にがい涙 with 岩崎良美(ザ・スリー・ディグリーズ/1975年)
- 恋人たち(岩崎宏美/1979年)
- センチメンタル・ブルー(BUZZ/1979年)
オリジナルが有名で名曲揃いだからこそカバー曲は余計に難しい。どうしても全体に“カラオケ感“が拭えません。このアルバムをオリジナルをリスペクトしてアレンジを踏襲したり、旋律を崩したりしたりしてないのも一因でしょう。もっと自由にアレンジして歌えばいいのにと思いました。
収録曲のなかでとくオススメは、M-08の「にがい涙」です。もともとは、ザ・スリー・ディグリーズという三人組のアメリカの女性ボーカルグループが歌っていた曲ですが、このアルバムでは岩崎宏美と岩崎宏美の姉妹が歌っています。ひとり足りないのはご愛嬌です。
アレンジはストリングスがやや物足りない気もしますが雰囲気は出てます。もう少しグルーブ感があればなあと思わなくもありませんが収録曲のなかではイチオシです。
もう一曲オススメを挙げるとすれば、M-09の「恋人たち」を推したい。セルフカバー曲。1979年の洋楽カバーアルバム『恋人たち』に唯一収録されたオリジナル曲でした。知られている曲とは言えませんが、このアルバムは昔よく聞いていたので懐かしかったです。新旧2つを聴き比べてみるもの一興でしょう。
- アーティスト:岩崎宏美
- 発売日: 2007/03/21
- メディア: CD