新型コロナウイルス感染症の影響で経済が停滞している。非常事態宣言が解除されたとはいえ、自粛中の消費の冷え込みもあり経済成長率はマイナスを記録する見通しだ。業界や業種にもよるだろうが、みなさんも少なからず影響を受けているのではないか。
今後もしばらくは新型コロナウイルスと共存していかなければならないことを考えると、相当規模の景気対策が必要だろう。いったい日本政府はどうするつもりだろう。
そんなことを考えていると、ドイツのメルケル政権が景気対策を打ち出したというニュースが流れた。総額1300億ユーロ(約16兆円)規模だという。目玉は、日本の消費税に相当する付加価値税を期間限定で3ポイント引き下げ16%にすることや、子育て家庭への現金給付である。
なかでも、下げ幅はわずか3%であるが今年末まで付加価値税を引き下げるのが目立つ。加えて食料品などに適用される軽減税率も7%から5%に下げるという。新型コロナウィルスが広い範囲に影響を与えたことを考えると至極まっとうな政策であり、期間限定の減税しか実効性のある政策はないように思う。
ドイツの具体的な景気対策パッケージは、英ガーディアン紙に箇条書きになっていたので紹介する。
- A temporary VAT cut from 19% to 16%, from 1 July until 31 December
- A €300 one-off payment for every child in the country
- A €50bn fund to address climate change, innovation and digital technology›
- A €25bn loan support programme for small firms that have seen their sales drop by more than 60% for June to August. This could be a particular boost for bars, restaurants, hotels and other hospitality businesses.
- €10bn for municipalities struggling with lower tax receipts, with public spending on infrastructure and housing.
いちいち訳さないがどれも合理的に思える。こうした政策パッケージをタイムリーに実現できるのが本当の先進国というものだろう。
一方、日本ときたら「GOTOキャンペーン」や「お肉券」などの愚策で炎上している始末。「もうバカなの?」と言いたくなる。野党が減税を含む景気対策を提案しているようだが、安倍政権のもとで減税が実現する見込みは低い。即効性のある景気対策は減税しかないと思うが、なんとかならないものだろうか。