安倍首相が記者会見で辞任を表明した。記者会見をやるとは聞いていたが、「健康不安は払拭されたので、今後とも職務に邁進する所存です」ぐらいのことを言うと思ったていたので突然の辞任表明に驚いた。
安倍首相は憲政史上最長の在任日数を更新したばかりだっったので、辞任のタイミングは記録にこだわって決めたのかもしれない。それでも記者会見の様子を見ると体調が悪そうな様子だったので、健康問題が深刻なのだろう。
安倍政権の総括は今後多角的にで行われるだろうが、在任期間は約7年8カ月に及び、まごうなき長期政権だったことだけはまちがいない。
安倍政権以前は短期政権が続き、じっくりと腰を落ち着いて取り組むべき諸問題の解決は難しいと思っていた。しかし、安倍政権のような長期政権でもまったく問題が動かなかったことには大いに失望した。
具体的には、以下の3つの問題である。
最初の2つは相手国があることであり、日本だけの都合で解決できるとは限らないのだろうが、それにしてもまったく目立った動きがなかった。外交問題なので開示されてない情報もあるかもしれないが、解決する気配は微塵も感じられなかったのは残念というほかない。
一方、最後の憲法改正については、純然たる国内問題であり、政権与党のやり方次第ではなかっただろうか。憲法改正が自民党の党是であるにも限らず、これもほとんどやる気が感じられなかった。党内で改憲案をまとめて国会で発議するぐらいはできるだろう。
安倍首相は今回の記者会見で「国民の関心が高まらなかった」という趣旨の発言をしていたが、「国民が悪いんかい」とツッコミたくなった。
結局、いかに長期政権であってもダメなものはダメだったということだろう。これほど長期政権でもダメだとなると、今後にもまったく期待できない。政治が悪いのか、国民が悪いのか……。やれやれ。