ABEMAの大友克洋特集でアニメ映画『MEMORIES』(1995年)を鑑賞。
以下の3作品によるオムニバス形式で構成されるアニメ映画。
- 「彼女の想いで」 原作:大友克洋/監督:森本晃司/脚本・設定:今 敏/音楽:菅野よう子
- 「最臭兵器」 原作・脚本・キャラ原案:大友克洋/監督:岡村天斎/監修:川尻善昭
- 「大砲の街」 監督・原作・脚本・キャラ原案・美術:大友克洋/音楽:長嶌寛幸
このなかで私がもっとも好きなのは、第2話「最臭兵器」である。ひさしぶりに見たがまったく古さを感じさせないし、センスが感じられる。
甲府盆地にある研究所に務める若手社員の田中(声:堀秀行)が、かぜ薬と思い誤って「新薬」を服用する。その薬は、服用した人間から発生する臭気(ガス)によって周囲の生物を昏倒させる恐るべき生物兵器だった。社命で東京の本社に向かう田中を阻止するべく、自衛隊、そして米軍が出動する騒ぎに……。
浅薄なギャグアニメと言えばそれまでだが、ノリでつくったにもかかわらず作画が細部まで描き込まれている。甲府から中央道に至る風景がよく作画されていて、バカバカしい話を大真面目にアニメ化しているところがいい。
ラストも興ざめしないないうちにあっさり終わる。短編アニメだからこそ成立した作品であろう。大友克洋らしいテイストの作品である。