退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】劇場版「SHIROBAKO」(2020) / 水島努監督によるテレビアニメの続編

近くのシネコンで『劇場版「SHIROBAKO」』(2020年、監督:水島努)を鑑賞。2014年から放送された、アニメ業界を描いたオリジナルテレビアニメ「 SHIBOBAKO」の続編。テレビアニメから4年後を描く。

【チラシ付き、映画パンフレット】劇場版 SHIROBAKO 監督 水島努 出演 声の出演:木村珠莉、佳村はるか、千菅春香、


『第三少女飛行隊』から4年後、武蔵野アニメーション(ムサニ)は経営状況が悪化し、社長は交代し、スタッフも四散していた。いまもムサニで働く宮森あおい(声:木村珠莉)は、ひょんなことから劇場版アニメーションの新企画を任されることになるが……。


劇場版「SHIROBAKO」本予告【2020年2月29日(土)公開】

大好きだったテレビアニメの続編ということで、新型コロナ騒ぎのなか応援の願いも込めてシネコンで見てきた。かなりの上映規模で近所のシネコンでも上映があったが、封切りのタイミングはサイアク、残念ながら観客はごくわずか。これほど観客が少ないシネコンを体験したのは久し振りだった。

劇中で「劇場版アニメ」を制作するというは想定内。「やっぱりこうきたか」という感じ。宮森を含めた高校時代のアニメーション同好会の五人組が業界でそれぞれ頑張っていたのはよかったが、ムサニは落ちぶれてかつての仲間たちが各所に散っていたのはショック。不安定なアニメ業界らしい……。

ストーリーの転換時にディズニーを思わせるミュージカル仕立ていなるのは、賛否あるだろうが私は結構好き。優れた音響の大スクリーンでのミュージカルパートは劇場版らしい演出で楽しめた。難点を言えば、劇中のSFアニメが趣味に合わなくてて没入できたかったこと。まあ人それぞれだろう。

またお年頃の宮森たちに浮いた話がないのも不満。尺がないので仕方ないが、男関係のトラブルのひとつやふたつも織り込んでもよかったかも。とくに声優の「枕営業」あたりをぶち込んでも面白かっただろう。

それでも、テレビアニメに続編の劇場版アニメのあるべき姿を抑えていて、その点は教科書のような作品と言える。テレビアニメを見ていない人は、何がなんだかわからないだろうから、事前にテレビアニメを見ておくことは必須。まあそういう人は映画館まで足を運ぶこともないだろうが。

なお来場者特典の関口可奈味描き下ろしミニ色紙をもらった。5種類あるなか、私がもらったのは、原画の「安原絵麻&久乃木愛」のバージョンだった。ミムジー&ロロがほしかった。