安倍晋三総理がまたやかした。またもや国会でヤジを飛ばしたのである。「え、またかよ」と思ってニュースを見ていたが、悲しいことだがこれは何度も目にした光景である。そのつど炎上して問題になっている。総理には学習能力がないのだろうか。
今回はこんなことがあった。野党から「桜を見る会」の“前夜祭”に関する質問に対して、安倍総理は「非生産的。政策とは無縁のやり取りを長々と続ける気持ちは全くない」と述べた。これを受けて立憲民主党の辻元議員が、「『鯛は頭から腐る』という言葉をご存じか。上層部が腐敗していると、残りもすぐに腐っていく」と総理を批判すると、安倍総理は「意味のない質問だよ」とヤジを飛ばして、当然国会は紛糾してすぐに審議はストップした。さらに翌日の審議も取りやめになって国会が空転するというテイタラクだ。
【報ステ】総理「意味のない質問だよ」ヤジで紛糾(20/02/12)
安倍総理は国民の代表である国会議員の質問に答えるために、行政の長として出席している。その国会議員にたいして「意味のない質問だよ」とヤジを飛ばすというのは自分の立場をまったく理解していない、そればかりか国民にきちんと向かい合う気もないと受け取られてもしかたない。
社会人として仕事をしていれば誰しも気に入らないことがあるだろうし、時にはひどい言葉を投げつけられることもあるだろう。そうしたときにも自分の立場を慮り、「大人の対応」ができるのがまっとうな社会人というものだ。
にもかかわらず、仮にも内閣総理大臣ともあろう政治家が、野党の質問にキレて国会の場でヤジ(不規則発言)を飛ばすとは情けない。この程度の器量で有事の際にリーダーシップを発揮できるのだろうか疑問である。
立憲民主党の枝野代表は、かつての吉田茂の「バカヤロー解散」を例に引いて批判していたが、これほど何度も国会を愚弄するな失言を繰り返しても長期政権の座に居座れるのはまったく不思議なことである。
それにしても何度も同じ過ちを繰り返すのはどうしたことだろう。ひょっとしたら何か心の病を患っているかもしれないとすら思わせる。もしそうならば政権を返上して治療に専念したほうが総理自身のためでもあるし、何よりも国民のためである。