9月1日、民進党の臨時党大会で前原誠司氏が新しい代表に選出され、枝野幸男氏との一騎打ちを制した。地方議員と党員・サポーターの「地方票」のポイントに、国会議員および公認候補予定者による投票結果を加えた全体のポイントでは、前原氏が502ポイント、枝野氏が332ポイントだった。
この代表選の結果をトップニュースで伝えるメディアもあったが、最大野党とは言え、現時点での政権交代の可能性は毛ほどもなく、多くの国民にはどうでもいいニュースだろう。国政について議論したところで、ほとんど意味がない。
まあ政権交代の可能性がほどんとない政治状況からこそ、モリ・カケ問題といったスキャンダルのなかでも自民党は堂々と政権に居座れるのだろうが、とても健全な状態だとは言えないだろう。もう少し野党にがんばってもらわないとどうにもならない。
関心の薄かった党代表選であったが、2人の候補は選挙期間中、よくメディアに露出していた。同じ党のふたりがそれほど意見がちがうわけもないが、消費税増税や共産党との共闘については意見が対立していたようだった。
既に述べたように国政を論争しても意味がないが、その分「日本の将来像」などの大きなテーマについては一歩引いて考えられるので面白く見れた。自分の考え方を整理するよい機会になったようにも思う。
ふたりが登場したメディアのなかでは、ディベート形式で行われた「Yahoo!みんなの政治」による討論番組が面白かった。候補者が気色ばむ場面もあり新鮮に思えた。
こうした討論番組は欧米のメディアではよく目にするが、日本ではとんと見かけない。今後こうした番組が増えて、政治がエンターテイメントとして認知されればよいと思う。
それでも、この2人を見ると民主党政権の黒歴史をどうしても思い出してしまう。このイメージを払拭しないと新しい展開はありえないだろう。