DVDで映画『プラチナデータ』(2013年、監督:大友啓史)を鑑賞。原作は東野圭吾の同名小説。主演は二宮和也。近未来SFサスペンス。
近未来の日本。警察庁の特殊解析研究所が究極のDNA捜査システムを開発する。政府はこれを進めて全国民のDNA情報を登録・管理する「DNA法」成立に向けて準備をする。しかしDNA法に反対する人たちが連続して殺害され、犯人の残留物を分析した結果、犯人はDNAシステムを開発した天才科学者・神楽(二宮和也)が犯人と判明する。一転して容疑者となった神楽を、辣腕の浅間刑事(豊川悦司)を追い詰めてゆく。
2時間を越える長尺な映画だが飽きずに見れたのは立派。DNA捜査システムおよび監視システムの映像化はよくできていて映像に惹き込まれていくのは美点。
ただし、サスペンスの体裁をとっているが、殺人犯が途中で簡単に分かってしまい「犯人さがし」としては面白みがない。そこにあまり拘らずに、いわゆる「プラチナデータ」を巡る陰謀に焦点を絞ったのは、結果としてよかったかもしれない。ざっくり及第点とも言えるが、SFとしては物足りない部分も多い。
次に出演者を見ていく。主演の二宮和也の二重人格の演技はさすがと思わせる。役者として達者である。トヨエツは相変わらずのトヨエツ芝居だし、杏も定常運転というか、あのセリフ回しはなんとかならないのかしらん。それでも、このデカイ二人が揃うと見栄えがする映像になる。そこに二宮が加わると身長差でちょっと面白い画になるのはご愛嬌。
エンドロールで嵐の曲が流れたが、やはり嵐のファンに向けて訴求する映画となるとあまり複雑な構成にもできないし、こうなるのかなと思わされる。そうした制限があるなかではまずまず健闘していると言えるだろう。