退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『丹下左膳 百万両の壷』(2004) / 鮮やかな色彩で蘇る丹下左膳

Huluで映画『丹下左膳 百万両の壷』(2004年、監督:津田豊滋)を鑑賞。主演は豊川悦司山中貞雄監督による名作『丹下左膳余話 百萬両の壺』(1935年)のリメイクであり、時代劇不足のHuluのなかで貴重なラインナップ

百万両の隠し場所が塗り込められた「こけ猿の壺」をめぐって丹下左膳(豊田悦司)と柳生一門との争奪戦を描く。左膳が居候をしている矢場の女主人・お藤(和久井映見)と孤児ちょび安との人情話がスパイスになっている。

丹下左膳に馴染みのない観客向けなのか、左膳が主君に裏切られ斬り合いの末に隻眼隻腕になり、お藤に救われる場面がアバンタイトルで流れ、冒頭から迫力のある殺陣に圧倒される。ニヒルで艶っぽいにトヨエツの左膳は現代的で魅力的。お藤との掛け合いも楽しい。

オリジナルが古い白黒映画なので、鮮やかな色彩の映像が新鮮に感じられる。映像が妙に明るいので、テレビドラマのようだとチープに思う人もいるかもしれないが、軽妙なストーリーとの相性は悪くない。気軽に楽しめる痛快時代劇として万人にオススメしたい。


丹下左膳・百万両の壺