退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

BS時代劇「薄桜記」を見終わりました

再放送されていたBS時代劇薄桜記」(全11話)を見た。初回放送は2012年。原作は五味康祐の同名時代小説、脚本はジェームス三木。主演は山本耕史

旗本にして将来を嘱望されていた剣豪・丹下典膳(山本耕史)は、上杉家家老の娘・千春(柴本幸)と結婚する。しかし典膳が大阪赴任中に妻が元付け人に手ごめにされてしまう。妻の名誉を守るため離縁を申し出るが、千春の兄に切りつけられて左腕を失う。その事件がもとで旗本の扶持を失い、浪人となった典膳は、剣の同門の堀部安兵衛高橋和也)に助けられて、友情を深めていく。やがて赤穂事件が起こり、浅野家家臣となった安兵衛と、上杉家ゆかりの典膳は敵味方となる。そして討ち入り直前に二人はついに剣を交えるが……。

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山本耕史が隻腕の剣士を熱演しているのはかっこいいし、柴本幸とのカップルも美男美女で見栄えがする。純愛と友情を前面に押し出し演出は、本来は悲恋物語であるが、どこか爽やかな印象を与える。これはNHKらしいといえるかもしれない。

ただ原作どおりなのかもしれないが、ラストはちょっと腑に落ちなかった。討ち入りの夜、典膳と安兵衛は対決し、隻腕ながら典膳が圧倒するが、わざとスキを見せて安兵衛に討たれたようにみえた。千春と愛を誓った後なのに、武士の誇りを優先させて死に場所を求める。これでは千春の立場がないだろうと思った次第。

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薄桜記」の映像化作品といえば、市川雷蔵主演の1959年の大映映画が名作として知られている。本作(NHK版)とは違い、大映版はもっとドロドロした凄惨な映画だった記憶がある。原作は未読だが、おそらくNHK版が原作に近いのであろう。いずれ大映版を見直してみたい。