2020年から始まる大学入学共通テストで導入される予定だった国語と数学の記述式問題について、文部科学省は実施の見送りを表明した。
記述式問題 導入見送り発表
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年12月17日
再来年1月に始まる大学入学共通テストでの記述式問題について、萩生田文部科学大臣は「受験生の不安を払拭し、安心して受験できる体制を早急に整えることは現時点では困難だ」として導入を見送ることを発表しました。https://t.co/UvY0ako2vA pic.twitter.com/KxDYY8vnUj
英語民間試験導入の延期に続いて、国語・数学の記述式問題も見送られることになり、大学入試改革の二本の柱が失われる事態になった。
かねてか記述式問題の導入については懸念する声が強かった。具体的には、以下のふたつの指摘である。
- 50万人規模の試験で短時間で正確な採点は難しい
- 自己採点が難しいので二次試験の出願校を決めるのに困る
この程度のことは最初からわかってるだろ、とツッコミたくなるが、文科省は具体的な対応を提示していない。萩生田文科大臣の「身の丈」発言で英語民間試験導入が頓挫しなければ、記述式問題もなし崩し的に導入されていた可能性が高い。
受験生にとっては、この時期に試験内容が変更されるのはたまったものではないが、ムリなものはムリ。再検討されることになったのは長期的にはよかったのかもしれない。まさに「怪我の功名」というべきだろう。
国語数学“記述式”見送り 振り回され受験生ら怒り(19/12/17)
今回の不祥事について、記者会見で萩生田文科大臣は自ら「責任は自分にある」としおらしいことを言っている。それはそれにしても、どのような経緯で今回の大学入試改革が議論されたのか精査する必要があるだろう。
まさか有識者会議の議事録が破棄されたわけでもないだろうが、マスコミは、意思決定のプロセスに問題がなかったのか、だれが実現不可能な入試改革案を推進していたのかなど検証してほしい。