近くのシネコンで『ターミネーター:ニュー・フェイト』(2019年、監督:ティム・ミラー)を鑑賞。もうすぐ上映終了とのことで慌てて見てきた。
本作は「ターミネーター」シリーズの第6作にあたるが、本作はジェームズ・キャメロンが製作に復帰して、『ターミネーター2』(1991年)の正統な続編と位置付けられている。「T3」以降はなかったことにしたのは潔い。
Terminator: Dark Fate - Official Trailer (2019) - Paramount Pictures
未来から戦士たちが時間を越えて現代に送り込まれて、人類の未来を掛けて戦うという構図はSFとしてはよくある話だが、このパターンはシリーズ化がやりにくのではないか。冒頭でジョン・コナーが殺されてタイムパラドックスがややこしくなって、なんか疲れるなと思ったのは私だけだろうか。
21世紀の「ターミネーター」というわけでもないだろうが、女性たちが活躍する映画である。とくにリンダ・ハミルトンがサラ・コナー役で復帰しているのは特筆できる。歳を重ねていてもカッコよく撮れているのは、この映画の美点。ほかにも強化人間「グレース」役のマッケンジー・デイヴィスの長身で手足の長い体躯は単純に美しいし、人類抵抗軍のリーダーの母親になるダニー役のナタリア・レイエスも魅力的だ。
一方、新型ターミネーター「Rev-9」はT-1000を彷彿させるが、2体に分かれるなどの新しい能力がそれがストーリーに生かされておらずやや不満。
またアーノルド・シュワルツェネッガーもT-800役で復帰しているのの見どころ。たいしてストーリーに必要なわけでもない役回りだが同窓会的な楽しみはある。それにしてもターミネーターも歳を取るのだろうかという疑問は残った。
大枠のストーリーは「T2」と大差なく、あちらこちらに既視感が見て取れる。演出上、それが狙いなのだろうが、30年近く経ったいまに、昔と同じことされても困ってしまう。息も切らせないアクションの連続で普通のアクション映画としては十分に楽しめた、と言っておこう。「ターミネーター」シリーズということで期待しすぎたのかもしれない。