秋風羽織は、2018年上半期放送の朝ドラ『半分、青い。』に登場する架空の少女漫画家。表紙にあるように豊川悦司が演じて話題になった。ドラマでは、ヒロイン・楡野鈴愛(永野芽郁)の漫画の師匠として登場して、数々の名言を残した。本書は名言を紹介しながら、オフィス・ティンカーベルの日々を振り返る。
- 作者: 秋風羽織,北川悦吏子
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2018/09/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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朝ドラ『半分、青い』(作・北川悦吏子)は、これまでの朝ドラの文法から外れたユニークな朝ドラだった。脚本家の作家性が色濃く出ていたのが印象的だった。ちなみに劇中の秋風羽織の作品には、くらもちふさこの漫画が使われていて、それもツボだった。
ドラマのなかでは、楡野鈴愛が漫画家を志して故郷岐阜から上京し、人気少女漫画家・秋風羽織に弟子入りして、プロデビューするも挫折するあたりまではとてもよかった。このあたりまでは神ドラマかと思ったが、その後、紆余曲折があるが、ヒロインが結婚相手に「死んでくれ」といい放つにいたりドン引きした。最後は扇風機つくりだしてもうなんだかわからなくなった。
この本は、ドラマでいちばん面白かった時期である、ヒロインが仲間たちと漫画家修行する秋風塾での日常を追っている。秋風羽織の言葉には、脚本家・北川悦吏子のクリエーターの苦悩がにじみ出ているようで深みがある。一般の人にも人生の教訓としても役に立つのではないか。
オフィスの見取り図や五平餅の作り方など、ドラマを思い起こさせる仕組みも盛り込まれていて楽しく読める。ビジュアルも満載だ。
余談だが、私はドラマ放送時、井川遥が演じた秋風羽織のマネージャー・菱本若菜がお気に入りだった。メガネをかけて、ピンクハウス系のファッションがよく似合っていた。この本にも登場するが、もう少し彼女をフューチャーしたページがあったらもっとよかった。