退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

朝ドラ「おかえりモネ」終了しました

朝ドラ「おかえりモネ」は、2021年度前期放送のNHK連続テレビ小説」第104作。安達奈緒子作。清原果耶主演。

気仙沼湾沖の島で育ち、登米で青春を過ごしたヒロイン百音(清原果耶)は、天気予報を通して人々の役に立ちたいと気象予報士を目指す。資格取得後、上京し気象予報会社に勤めるが、やがて故郷の島へ戻り予報士としての気象の知識を活かして地域貢献する姿を描く。

おかえりモネ メモリアルブック(ステラMOOK)

ひたすら暗い。東日本大震災から10周年ということで、震災にフォーカスをあてたのだろうが鬱々として、「こんなの朝に見たくないなぁ」というドラマだった。ヒロインもその妹(蒔田彩珠)もモソモソしゃべっていて見ているこちらが滅入る。朝ドラはもっと明るくあってほしい。

ドラマは登米にはじまり、東京、気仙沼と舞台を移す。百音が森林組合に務める「登米編」がいちばんよかった。あまり取り上げられることのなり林業も興味深いし、登米の山林の風景にも癒やされた。登米だけでドラマをつくってほしかった。

(4)「天気予報って未来がわかる?」

その後、百音は上京するわけが、東京住みにとっては「ここはどこの東京だよ」と思ってしまった。東京感がない。諸事情でロケができなかったのかもしれんが、もうちょっと東京でのリアルな生活を描けなかったのだろうか。

(66)「離れられないもの」

そして故郷に帰ることを決意するのも唐突。東京での仕事が順調なのにもったいない。何が百音に帰郷させたのかよくわからなかった。普通帰らないだろう。気仙沼に帰って仕事どうするかと思ったが、務めていた気象予報会社の新事業として援助を受ける。採算性もないのにご都合主義にすぎる。

ヒロインのストーリーとしては不満があるが、大人たちのドラマとしてみるとなかなかいい。とくに震災で妻(坂井真紀)を失った漁師(浅野忠信)の物語は胸を打つ。ベテラン俳優たちの芝居は見応えがあるが、その傍らで棒立ちのヒロインたちはどうなのか。やはり朝ドラはヒロインが輝かないといけないと思うわけだ。

(112)「大人たちの決着」

ラストは、コロナ終息後に2年半後ぶりに再会したヒロインと菅波(坂口健太郎)が手を取り合う場面だった。こうした遠距離恋愛が上手くいくとも思えないが、コロナ禍で苦しんだ視聴者には響くのかもしれない。個人的には菅波の両親が登場して、「こんな田舎娘と結婚させるために息子を医大に行かせたわけじゃありません」と百音との結婚に反対してほしかった。

(120)「あなたが思う未来へ」

本作は朝ドラとしてかなり不満。次作は楽しいドラマだといいなぁ。

連続テレビ小説 おかえりモネ 完全版 ブルーレイ BOX1 [Blu-ray]