退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

朝ドラ「カムカムエヴリバディ」終了しました

朝ドラ「カムカムエヴリバディ」は、2021年度後期放送のNHK連続テレビ小説」第105作。藤本有紀作。ヒロインは上白石萌音深津絵里川栄李奈がリレーで演じた。

1925年から2025年まで100年間に渡り、母娘孫三代の人生模様を描く。3人の女優が、それぞれ別のヒロインとして演じる作品は連続テレビ小説で初めてのこと。

半年の放送期間で100年間を描くというから駆け足になることは想像できたが、予想以上の情報量で1回でも見逃すとストーリーを追えなくなるほど。朝ドラにこのように密度が高いドラマが求められているのかという疑問もあるが、放送中は話題には事欠かなかった。

ドラマではラジオ英語講座とジャズ、時代劇が重要な役割を持っていた。個人的にはラジオ英語講座と時代劇がツボだった。私もラジオ講座をずいぶんと聞いたクチだが懐かしかった。正直ラジオ聞いてるだけで英語が身につくとは思わないが、母娘でシャドーイングしている様子はなかなかよかった。

また時代劇では、ドラマでは「東映」とはなってなかった太秦映画村が舞台だったのも興味を引いた。せっかく東映時代劇を取り入れるならば、日本映画が隆盛を誇ったころのスターシステムや大部屋役者の様子などをもっとリアルに描いてほしかったかも。

出演者はやはり深津絵里に尽きる。役者としての評価はバク上げなのは間違いない。るいが高校を卒業するとき、深津絵里(48歳)がるい役として初めて登場する。そのとき「え、いくらなんでも無理あるだろ。間にもう一人挟まないのか?」と思ったものが、全編見終わったあとだと、この配役に納得した。ロングヘアーからショートになったのも印象的。いまもショートが似合うなと感心した。

ラストは大団円。最終盤はこれまでの伏線の回収をするのに忙しかった。そんなに律儀に回収しなくても投げっぱなしでもいいだろうと思うが、これで納得する視聴者も多いのだろう。個人的は安子が渡米してキャリアを形成するまでのスピンオフ・ドラマを見てみたい。でも育児放棄して勝手に米国に駆け落ちした安子は女性には人気ないだろうとも思う。

とにかく見るのが疲れるぐらいの情報過多の朝ドラだった。毎回これだと困るがたまにはこうした歯ごたえのあるドラマもいいだろう。半年間楽しめました。

連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ Part2 (NHKドラマ・ガイド)