退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

映画『エヴァの匂い』再び

先日、名画座ジャンヌ・モロー主演の映画『エヴァの匂い』(1962年)を見たとき、英語版だったのがずっと気になっていた。昔見たときはたしかフランス語だった記憶があるし、もともとイタリア=フランス合作のはずですっきりしない。

そこで紀伊国屋書店が販売しているDVDで見直してみたところ、今度はフランス語版だった。英語版はあまり字幕を追わないですむので気楽に見れたが、やっぱりこの映画はフランス語でないと雰囲気が伝わらない(気がする)。

エヴァの匂い [DVD]

エヴァの匂い [DVD]

このDVDには、遠山純生が執筆した小冊子が付いていてとても参考になった。作品の編集段階がかなり混乱していた様子が詳細に書かれていて、「再編集に次ぐ再編集によって、『エヴァの匂い』には複数の異版(それぞれ上映時間・使用言語が異なる)が存在するようだ」と述べている。映画館で上映されたのも、DVDに収録されているのも、その複数の異版のなかのひとつであろう。


EVA de Joseph Losey - Official trailer - 1962

またエヴァのテーマというべき、ビリー・ホリデイの"Willow, Weep For Me"、そして"Loveless Love”が選定された経緯についても興味深く読んだ。


Billie Holiday - Willow, Weep For Me

Billie Holiday - Loveless Love (1940)

古典と言われる映画のDVDに優れた解説冊子が付いているとうれしいが、実際に手にしないと冊子の内容がわからないのは困ったものである。