2015年から2018年にかけて全6話で劇場上映された「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のテレビ放送が、4月29日からNHK総合テレビで始まりました。
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」今夜スタートです!
— NHKアニメ (@nhk_animeworld) 2019年4月28日
第1話「ジオンの子」
総合 きょう深夜0:35 (関西は1:09)
予告動画はこちら↓https://t.co/VEGe2FOJdk
「THE ORIGIN」がNHKで放送されて世間は盛り上がっています。私はOVAを全作品を映画館で見たくらい、この作品には思い入れがありますが、今回のテレビシリーズには気に入らないことが2点ほどあります。以前、放送が決まったときに感じたことの繰り返しになりますが、あらためて書き残しておこうと思います。
第一は、再編集されていることです。OVA全6話を、30分枠(NHKでは25分)に分割して全13話のテレビシリーズに再編集されます。第1話「ジオンの子」を見たかぎり、当初のから懸念された「ぶつ切り」編集で、「え、ここで終わるの?」というところで終了でした。カットされた場面も少なくないようです。やはりOVAの制作時は30分枠で分割してテレビシリーズを展開することはあまり考えていなかったのでしょう。
1クール分に再編集して OPとEDを新規追加してパッケージにすれば、テレビ番組として売りやすいとういのは理解できますが、作品のかなりの部分がスポイルされているのは残念です。OVAはお金をとって映画館で観せていたので、観客が1本でそれなりに満足できるようにつくられていたことがよくわかります。
第1話ではOVA版の「掴み」だった、冒頭のルウム戦役の戦闘シーンが丸ごとカットされたのは惜しい。この分では、ハモンの長い歌唱シーンもカットでしょうか……。これでは「機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096」のときと悪夢と同じです。これも再編集がかなりひどかったので、「またか…」という思いは強いです。関係者は学習しないのでしょうか。
第二は、今回は「THE ORIGIN」の放送は公共放送であるNHKがやることなのかという疑問です。売りやすいパッケージに再編集する製作サイドの動機は理解できます。しかしNHKが買い付けてきて公共放送の電波に流す意味はあるのでしょうか。完全に「民業圧迫」です。
今の時代、NHKがエンターテイメントを放送する必要はないと私は思います。百歩譲って、かつての「未来少年コナン」や「ふしぎの海のナディア」のように、NHKが潤沢な資金を投じてオリジナルアニメをつくるのならぎりぎり理解できますが……。
しかし今回のように既存の作品を札束をちらつかせて買い付けてきて、それを放送してSNSで煽って大衆に媚びるような公共放送は必要ありません。公共放送の範囲をミニマムに再定義して、NHKを解体するのが日本のエンターテイメント業界のためだと確信します。
いずれにせよ、テレビシリーズ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は出来損ないです。並行してOVA版を見ることを強くオススメします。いまならAmazonプライム・ビデオで全話見ることできます。急げ!