録画したあったテレビ番組「昭和偉人伝」(BS朝日)で、ふたりの女性作詞家、岩谷時子(1916-2013)と安井かずみ(1939-1994)を取り上げた回を見た。
番組を見て限り、ふたりは世代がちがい、あまり接点もないようだったので、ふたりまとめてではなく一人ずつ番組にすればいいのにと思った。
岩崎時子については前に書いたので、今回は安井かずみについて書いてみたい。これまで、彼女の作品のいくつか、そして加藤和彦のパートナーである程度のことは知っていたが、彼女がどんな人物なのかほとんど知識がなかった。なので番組はおもろしく見れた。
安井はフェリス女学院出身。語学を活かして岩崎と同じく洋楽曲の訳詞から歌謡曲の作曲家になり、ヒット曲を連発し歌謡曲の黄金期を支えた。作詞した楽曲は4000曲にのぼる。紹介された楽曲は次のとおり。キラ星のような名曲ばかりである。
- 「恋のしずく」伊東ゆかり
- 「経験」辺見マリ
- 「わたしの城下町」小柳ルミ子
- 「草原の輝き」アグネス・チャン
- 「折鶴」千葉紘子
- 「赤い風船」浅田美代子
- 「危険なふたり」沢田研二
- 「よろしく哀愁」郷ひろみ
- 「不思議なピーチパイ」竹内まりや
海外旅行が珍しかった当時、世界中を旅してセレブたちと浮き名を流す。青年実業家と結婚するも離婚。その後パリで2年ほど暮らして、1971年に帰国する。1977年に年下の加藤和彦(1947-2009)と再婚。優雅なライフスタイルにより憧れの夫婦と目され、コンビで数多くの作品を発表している。飯島真理の「愛・おぼえていますか」も夫婦の手による作品である。
数多くの作品を残した安井であるが、岩崎の同様に作品集の決定盤がない。手元には下の作品集があるが、作詞を担当した楽曲のほんの一部である。ちなみにジャケットは絵を学んでいた安井の手によるものである。
業績を振り返ればレーベルを超えてマイナーが楽曲も集めて大きなCD-BOXが出ても不思議ではないが、なかなか難しいのであろう。阿久悠がいかにすごいかがわかる。