テアトル新宿で映画『星くず兄弟の新たな伝説』(2018年、監督:手塚眞)を見てきた。近田春夫がリリースした架空の映画サウンドトラック盤を、1985年に手塚眞監督が映画化したカルト映画『星くず兄弟の伝説』の事実上の続編。
舞台は近未来。若返ったスターダスト・ブラザーズ(三浦涼介と武田航平)の二人が月へ行く。そこで〈ロックの魂〉を探す旅に出かける。なぜか二人は女性(谷村奈南と田野アサミ)に変えられて西部劇のような荒野で大活躍するという予測不可能なストーリー。映画を撮っている手塚眞監督たちスタッフを、さらに外側から撮るという入れ子構造がちょっと洒落ている。
出演者では悪役を演じた夏木マリのノリノリの怪演が光る。つか、よくやるなぁという感じ。他にも数々の著名人のカメオ出演も見逃せない。
またSFロック・ミュージカルというだけあって音楽が最高。野宮真貴(元・ピチカート・ファイヴ)が歌う「星くず兄弟、月へゆく」がよかった。
映画『星くず兄弟の新たな伝説』より「星くず兄弟、月へゆく」 song by 野宮真貴 with スターダスト・ブラザーズ(三浦涼介・武田航平)
2016年秋に同じくテアトル新宿で『星くず兄弟の伝説』を見るイベントがあった。そのときに続編を企画しているという話を聞いたが、本当に実現するとは驚いた。
30余年ぶりに続編がつくられるととは夢にも思わなかった。公開初日には出演者やスタッフの舞台挨拶があったが残念ながら予定は合わず断念。しかし公開時に見ておかないと大きなスクリーンが見る機会は二度とないだろう。というわけで出かけてきた。
まあ前作を知らない人も楽しめるだろうが、やはり80年代に青春を過ごした世代向けの「おっさんホイホイ」の企画だろう。ちなみに近田春夫は私の人生に影響を与えた人のひとりである。近田春夫の深夜放送を聞いていなかったら、進学時に上京することもなかったかもしれない。そういう意味ではこの映画は私にとって特別な映画である。
いつまで上映しているか分からないので興味のある人は早めに鑑賞することをオススメします。