退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】内田裕也 『俺は最低な奴さ』(白夜書房、2009年)

内田裕也のインタビュー本。内田は今年3月に亡くなっているので、他界する約10年前に出版された本になる。69余年に渡る半生を赤裸々に語っている。インタビューアーは近田春夫

内田裕也 俺は最低な奴さ

内田裕也 俺は最低な奴さ

当時の音楽シーンに通暁している近田春夫によるロングインタビューは、ミュージシャンとしての内田についてとくに内容が充実している。労作である。脚注がていねいに付けられているのもよい。個人的には、麻生レミを招いて結成したザ・フラワーズで活動していた時期にとても興味があったが、読んでまずまず満足した。

CHALLENGE!(紙ジャケット仕様)

CHALLENGE!(紙ジャケット仕様)

カルトGSコレクション 日活編~麻生レミ/フラワーズ

カルトGSコレクション 日活編~麻生レミ/フラワーズ

後年、俳優やプロデューサーとして関与した映画についても多くのページを割いている。先日新文芸坐の行われた追悼企画で見た作品を中心に読んだ。そのほかにもパラパラとページをめくっていくと「ああ、この作品を見逃していたか。見ておけばよかった」と後悔の念が湧いていくる。まあ日替わりプログラムなので一期一会。またどこかで出会うことあるだろう。

途中のオールヌードの写真はセンセーショナルだが、インタビュー本にはどうなのだろう思ったが、内田らしいとも言える。正直インタビュー本は苦手なのだが、これはいい本だ。資料としても貴重。

f:id:goldensnail:20190708215728j:plain:w400