退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ウトヤ島、7月22日』(2018年) / ノルウェーの銃乱射事件を扱った映画

新文芸坐で『ウトヤ島、7月22日』(2018年、監督:エリック・ポッペ)を鑑賞。まったくマークしてなかったが、映画館で見た予告編に衝撃を受けて足を運んでみた。


映画『ウトヤ島、7月22日』予告編

2011年7月22日にノルウェーで発生した連続テロ事件を扱った映画。主にオスロの郊外にあるウトヤ島で発生した銃乱射事件を、女性カヤの視点から描いている。当時、ウトヤ島ではノルウェー労働党青年部のサマーキャンプが行われていて、ティーンエージャーが700人ほど参加していた。そこに警察官に扮した犯人が上陸し銃を乱射する。参加者のうち69人が射殺された。単独犯としては史上最悪のテロ事件となった。

ウトヤ島の位置は下のとおり。

手持ちカメラによる72分間ワンカット撮影をウリにしていた。たしかに志のある映像作品なのだが、ただ撮っているだけという印象は拭えない。残念ながら映画の完成度は決して高くない。構図はもう少し工夫が必要なのではないか。

銃声が轟くなか、逃げまとうカヤをひたすら追った映像が続く。映画館のなかで鳴り止まぬ銃声は心理的効果をあげているが、欲を言えばサラウンドを使うなど四方から銃声や悲鳴が聞こるような映画館ならではの演出がほしかった。

一応、映画にはカヤが妹を探すという物語があり、最後でオチが付いているのだが、逃げまとうカヤの視点が延々と続くだけで途中で飽きてくる。それにしても警察官が到着するのが遅い。どうなっているのか。

また映画に犯人がまったく登場せず、犯人像にも触れることがないのも不満。ノルウェー事情に明るくない海外の観客に対して、もう少しテロの背景や犯人逮捕後の裁判の様子などのテロ事件の全貌を紹介する必要があるのではないか。

予告編が面白かっただけに、本編はやや期待はずれの映画だった。

f:id:goldensnail:20190704072721j:plain:w400