退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

コミック「MAJOR」を読了!

満田拓也のコミック「MAJOR」(全78巻)を読み終えた。『週刊少年サンデー』誌に1994年から2010年まで連載された、主人公・茂野吾郎の半生を描いた野球漫画。

Major―Dramatic baseball comic (1) (少年サンデーコミックス)

Major―Dramatic baseball comic (1) (少年サンデーコミックス)

MAJOR(メジャー) 78 (少年サンデーコミックス)

MAJOR(メジャー) 78 (少年サンデーコミックス)

昨年テレビアニメを見て原作を読み始めた。少しずつ読んでいたのでで1年ぐらいかかっただろうか。幼少期からリトルリーグ、中学、高校、そして渡米してメジャーリトルリーグに上がり、ワールドシリーズでチャンピオンリングを獲得するまでの長い長い物語。ラストはバッターとしてプロ野球に再挑戦する吾郎が描かれる。

基本的に友情と努力で逆境を克服していく少年漫画の王道を行く作品で、登場人物も根っからの悪人はほとんど登場しない。世の中はそう甘くはないと思うのだが、少年漫画だから仕方ない。それでも高校時代にヤバイ奴が登場する。吾郎がかつて在籍していた海堂高校野球部の江頭部長だ。練習試合で、ある部員に圧力をかけて吾郎の足を故意にスパイクで踏ませる事件を起こす。まるで「日大タックル」を彷彿とさせるエピソーとだ。黒い。

この江頭以外、本当の意味で悪い人は登場しないこともあり、大人としての読み物としては物足りない。そうしたこともあり、長い物語のなかでいちばん面白いのは、名門海堂高校野球部での奮闘、そして聖秀高校に移り野球部を立ち上げる高校時代だと思う。

まあ直球の野球漫画で清々しい読了感。なるほどヒットしたこともわかるが、プロ入りしてからは、渡米後のカルチャーショックやプロ契約やギャラの話など、リアリティのある話題も織り込んでほしかった。「グラゼニ」の影響もあるかもしれないが、大人の読む漫画としてはやや優等生すぎると言えるだろうか。

グラゼニ (1)

グラゼニ (1)

最終巻の表紙は、吾郎とふたりの子ども(いずみと大吾)が飾っている。この茂野大吾は連載中の「MAJOR 2nd」の主人公になっているが、この当時から新作の着想はあったのだろうか気になるところ。「MAJOR 2nd」は、すでにテレビアニメになり放送されているが、原作も完結したあとに読んでみたい。

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