退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

アニメ『キノの旅 -the Beautiful World-』を見た

テレビアニメ『キノの旅 -the Beautiful World-』(全13話)を鑑賞。2003年4月から7月にかけてWOWOで放送された。原作は電撃文庫から刊行されている時雨沢恵一ライトノベル

旅人キノ(声:前田愛)が、言葉を話す相棒のモトラド(声:相ヶ瀬龍史 )と旅をしながら、いろいろな国を巡るという、基本的に一話完結の短編集である。毎回、さまざまな価値観や制度を持つ国民たちと関わる寓話的な要素を強い作品。ちょっと星新一ショートショートのようでもある。落ち着いた味のあるアニメである。

キノはボーイッシュだが女の子で、しかもガンマンという設定。前田愛の声がよく合っている。またモトラド(バイク)が言葉を話すという設定も人工知能の先取りのようで面白い。銃器やバイクなどの拘りが強く感じられるマニアックな雰囲気もいい。

作者は、松本零士の『銀河鉄道999』が根源にあると語っているらしいが、萌え系の日常系アニメが幅を利かせる昨今、このような旅モノのアニメは見なくなってしまった。

そんななか、「キノの旅」はは2017年秋に再アニメ化される。キノの声は悠木碧 が演じることが発表されているが、悠木碧 は本作の最終話に八武崎碧名義で出演しているのも、めぐり合わせというべきか。いったい何歳なんだよと思うが、キャリアの長さを感じるエピソードである。秋の新作を楽しみに待ちたい。