退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

テレビアニメ「中華一番!」を見ました

テレビアニメ「中華一番!」(全52話)をAmazonプライム・ビデオで鑑賞。小川悦司によるコミックが原作のテレビアニメ作品。1997年から1998年までフジテレビ系列で放送された。

週刊少年マガジンで連載されていた原作コミックのファンだった。しかしテレビアニメも見ていたはずだが、あまり印象に残っていない。Amazonプライム・ビデオで配信されていたテレビアニメの配信終了が迫っていたので、ちょっと見てみようぐらいの気持ちで見始めたところ最終話まで見てしまった。

舞台は清朝末期の中国。四川省の少年、劉昴星(リュウ・マオシン、声:田中真弓)が特級厨師になるために広州にある陽泉酒家へ修行に赴く。その主人公のマオが、さまざまな人物で出会いながら、料理を通じて争い、そして友情を育みつつ料理人として成長していく姿を描く成長譚である。

正直、アニメは原作にくらべて派手に脚色されていて、いかにも子どもが喜びそうな作風。料理が突然光りだすなどアニメならではの派手な演出は、テレビアニメ「ミスター味っ子」を彷彿とさせる。

またアニメのマオは特級厨師になるまでが早すぎる。すぐに料理界の頂点に登り詰めてしまい、その過程が十分に描けていないのも不満である。特級厨師となってからは、水戸黄門よろしく特級厨師の腕章を見せるだけで、皆の態度が豹変するのも紋切り型にすぎると感じた。思い出補正もあるが、私は断然原作の方が好みである。

それでもマオとメイリィ(声:雪乃五月)とシロウ(声:坂本千夏)との三人で旅をするあたりは楽しく、旅モノのツボを抑えていてなかなか楽しい。

ラストも原作と異なり、清朝皇帝に御前で料理勝負に勝利してめでたしめでたしというエンディングだった。これはアニメが原作の連載に追いついてのが理由らしいが、ちょっと惜しい気がする。