退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『のんちゃんのり弁』(2009) / ヒロインの小西真奈美はミスキャストだがファンなら楽しめる

Huluで映画『のんちゃんのり弁』(2009年、緒方明監督)を鑑賞。入江喜和の同名コミックの映画化。主演は小西真奈美

グータラな夫に愛想を尽かして離婚した小巻(小西真奈美)は、小学生の娘・のんちゃんとともに下町の実家に出戻る。小巻は生計を立てるため職を探すが、世間知らずなうえ特別のスキルもないためうまくいかない。その後、小料理屋で働きながら弁当屋になるという夢を見つけ、その夢に向かって奮闘する。ついに小料理屋の主人(岸部一徳)に認められ、小料理屋を時間借りして弁当屋を始めるという映画。

まず小西真奈美がミスキャスト。下町出身の娘には見えないのが致命的。そもそも結婚までの経緯が語られないので、別居までに何があったかよくわからない。東急沿線の立派なマンションに住んでいて、夫の両親から援助があるとはいえ不自由のない生活をしているように見えるが何が不満なのか……。

下町での求職中、場末の飲み屋で勤め始めるるが、サラリーマン風の酔客にキスをされてことに腹を立てて飲み屋を辞めるシーンが印象的。いくら下町でもいきなりキスする客はいないだろうし、飲み屋のママ(絵沢萠子)も、「30すぎの女が料理を運ぶだけで時給2000円もらえるわけないだろ」などど罵声を浴びせて追い出してしまう。

でもよく考えてみると小西真奈美の美貌だけで客は呼べるだろうし、なんとか小巻をつなぎとめるのではないか。小西が美人すぎるので、いろいろ脚本がおかしいのだ。

また前半には小巻の作るのり弁が並でないことがCGで語られるなど、グルメ映画のテイストも感じられたが、後半ではどこかに消えてしまう。グルメ映画と思って見始めたらが期待はずれだった。

この映画のクライマックスと呼べるのは、岸部一徳が営む小料理屋で小巻と前夫が取っ組み合いのケンカをするシーンだろうか。小西に馬乗りされたい思った男性は私だけではあるまい。まあ脚本を含めていろいろ言いたくなる映画だが、小西真奈美ファンなら楽しめるのはないか。


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