退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

植田景子『Can you Dream?』

Can you Dream? 夢を生きる

Can you Dream? 夢を生きる

宝塚歌劇団初の女性演出家が、夢に邁進していく姿を自ら綴るエッセイ。演出家として宝塚に入るまで、5度目の採用試験でついに合格したという。執念がすごい。

宝塚ファンにとっては、演出家の視点から舞台裏を描くことにより劇団の新たな魅力を再発見できるかもしれないし、そうでない人にも純粋に夢を追う女性のサクセスストーリーとして面白く読めるだろう。

何よりも筆者の宝塚への愛が溢れている一冊。まあ、もうじき100周年を迎えるのもダテじゃないと思わせる迫力はある。

欲を言えば筆者自身のロマンスに言及がないのはさみしい。苦労している時期に何人もの男が通り過ぎた、といった話が聞けるとよかったかもしれない。

余談だが、真っ赤な本だったので手にとったとき驚いた。でも、ヅカっぽくなくて持ち歩くには都合がよかった。