退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『徳川家康』(1965)

先日、新文芸坐で「徳川家康」(1965年、伊藤大輔)を鑑賞。「“歴史ブーム!”映画で見る日本史」という企画の一本。

徳川家康のどの時期を扱うのかと思いながら観始めると、家康が生まれる前からだったのでこれは長くなりそうだな覚悟するが、家康の一生が描かれているわけではない。

戦国時代、弱小・松平家の子として生まれ、人質として他武将に育てられる幼少期から桶狭間の戦いを経て天下に乗り出すまでを取り上げる。特に生母(有馬稲子)との心の交わりが情緒的に描かれるのが印象的。

家康役は子役を経て北大路欣也が演じるが印象が薄い。この映画は「徳川家康」というタイトルだが、終盤に活躍する織田信長役の中村錦之助がおいしいところを全部持っていく。“桶狭間の戦い”での勇姿は一見の価値あり。今川義元役の西村晃の白塗りもいい。