退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

東京でも非常事態宣言が解除が決定されたワケだが…

日本政府は、新型コロナウイルス感染症についての緊急事態宣言の解除が決定し、安倍総理大臣が解除宣言を行った。非常事態宣言が出されたのが先月7日なので、首都圏ではおよそ1か月半ぶりの解除となる。


“緊急事態”全面解除へ 安倍総理会見ノーカット(20/05/25)

解除の基準値とはなんだったのか?

緊急事態宣言の解除には、政府の新型コロナウイルス対策の指針に明記された基準を満たす必要があった。

その基準のひとつは、感染状況で「直近1週間の10万人当たりの感染者が0.5人程度以下」を目安とするというもの。この他にも「医療提供体制」「PCR検査など監視体制」と合わせて“総合的”に判断するという。

今回、東京都と神奈川県では、「直近1週間の10万人当たりの感染者が0.5人程度以下」という基準を上回っていたにもかかわらず解除された。

もっとも「同1人程度以下」であれば、クラスターや院内感染、感染経路不明の症例の発生状況も考慮して解除する場合があるとしていたが……。

詳しいデータが提示されていないこともあるが、どうしても「解除ありき」という感は拭えない。科学的根拠に乏しい気がする。

日本は成功したのか?

海外に目を向けてみると、依然としてコロナに苦しんでいる国々と比べて日本は人口あたりの死亡者数は少ない。日本が本当に先進国か別にして、日本はもっとも感染拡大防止に成功した先進国と言ってもよいだろう。

しかし、その理由はBCGワクチン接種、日本の生活様式などいろいろ挙げられているが、はっきりとこれだとはいえない。その点が引っかかる。

日本政府は、習近平の訪日や東京五輪開催に未練たらたらで初動を誤り、法的制約のため海外のように外出禁止や都市のロックダウンを強制できなかった。さらにPCR検査体制の拡充にも遅れて海外から避難される始末だった。

このように対応が十分でなかったにもかかわらず、日本が一応封じ込めに成功して、緊急事態宣言を解除したことは、海外メディアからは、「ミステリー」として驚きをもって受け止められている。まあ、たまたま上手くいったとは思いたくはないが、「神風が吹いた」ということだろうか。

将来、コロナが落ち着いた後、なぜ日本は感染封じ込めに成功したのか科学的に検証してほしい。

コロナ時代の日常

緊急事態宣言が解除されても新型コロナウイルスの脅威がなくなったわけではない。ワクチンや治療薬が確立するまで、社会はウイルスと共存していかなければならない。

社会はコロナ以前には戻らないだろう。一方でコロナ禍で日常が変わったことで得られたこともある。個人的にはテレワークは生活品質向上に役立つし、外食はそれほど必要ないことがよくわかった。

社会全体がポストコロナを模索しているなか、変化に適応できた個人や企業が生き残っていくというころだろう。

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