朝ドラ「虎に翼」は、2024年度前期放送のNHK「連続テレビ小説」第110作。吉田恵里香作。日本で初めて女性として弁護士、判事、裁判所長それぞれを務めた三淵嘉子をモデルとしたフィクション。主演は伊藤沙莉。
なんとか完走したものの、歴代朝ドラになかでも、かなり社会的なテーマを扱っていて重すぎる。朝からこんなの見たくないというのが正直なところ。まあ実在の人物をモデルにして、法律家という職業を考えると、こうしたテイストになるのは仕方ないのかもしれないが……。
それでも主人公の青春期はまだよかった。
母親の反対を振り切り、女性に法律を教える日本で唯一の学校への入学を決意。仲間たちと切磋琢磨した末に、日本初の女性弁護士の一人となる主人公・寅子。弁護士として世に出た彼女たちを待っていたのは社会の女性に対する偏見、そして戦争に突入していく日本であった。戦後、夫を失って自分を見失った寅子が日本国憲法に接し、情熱をとりもどし法律家として再起することを決意する……。
このあたりまでは、戦前の教育制度や司法制度についての気付きもあり、まあまあ面白くみていた。しかし、その後は女性差別やジェンダー問題、原爆裁判といった重いテーマが次々に襲いかかり、前述のとおりイマイチ乗れなかった。真面目すぎたのかもしれない。朝ドラマはもっと楽しく見たい。
余談だが、劇中寅子が通っていた明律大学といのは、明治大学のことである。女子部の系譜は、現在の情報コミュニケーション学部という不思議な名称の学部に引き継がれているとのこと。明治大学としてはよい宣伝になったのではないか。