週末、録り貯めていた2017年度下半期のNHK「連続テレビ小説」の「わろてんか」をようやく見終わった。
吉本興業の創業者吉本せいをモデルにして、明治後期から戦後直後の大阪を舞台に寄席経営で日本中の人を笑わせようと奮闘する女性創業者の姿を描く。戦争を絡めた女半生記といえば朝ドラの鉄板である。ヒロインは葵わかな。脚本は吉田智子。
連続テレビ小説 わろてんか 完全版 Blu-ray-BOX1
- 発売日: 2018/02/21
- メディア: Blu-ray
朝ドラは東京と大阪で半年ごと交互に制作さているが、大阪制作のものはイマイチのものが多い。しかし、今回は大阪制作の強みが十分に活かされたドラマで楽しく見れた。内場勝則らホンモノも出演してる。
まずヒロイン・てん役の葵わかながよかった。。オーディションでヒロイン役を勝ち取ったという。笑顔が素敵だったは高ポイント。タイトルにぴったり。テレビドラマ「アオイホノオ」(2014年)で山賀の妹として出演していた彼女が、朝ドラのヒロインに大抜擢とは世の中わからないものだ。
ただし童顔なこともあり、ドラマが進んでいくにつれ、実年齢(まだ19歳!)と役の年齢とのギャップが気になりはじめる。いったい何歳だろうと思うことがしばしばあった。これはこのドラマに限ったことではなく、朝ドラでヒロインの半生を描くとどうしてもこうなってしまう。なんとかならないのか。
ほかの出演者ではリリコ役の広瀬アリスがよかった。旅芸人から娘義太夫、女優に転身し、さらに四郎(松尾諭)と漫才コンビを組んで活躍する。漫才コンビとして成功する姿を描く週は、彼女がフィーチャーされていて堪能した。ゴツい体格(失礼!)も俺好みだし、なにより華がある。
ラストで吉本新喜劇風にこれまでを振り返るアイディアは秀逸。また夫の籐吉(松坂桃李)が死後も時々てんの前に登場するのもよかった。全編通してよくできた脚本だと思う。
ただし映画好きとしては、栞(高橋一生)が経営する映画会社の内情、つまり当時の映画制作のプロセスや撮影現場をもっと描いてほしかった。まあドラマの本筋ではないので仕方ないのかもしれない。その点は少し残念だった。