今夏、長らく休載していた平野耕太『ドリフターズ』の新刊が発売されて驚きました。そこで現在執筆が中断してる作品のなかから、私が個人的に再開・完結を待望している漫画を3つ紹介します。
ガラスの仮面/美内すずえ
少女漫画の金字塔と言っても異論がないであろう大傑作。既刊49巻。第49巻が発売されたのは2012年10月5日。もう10年以上放置されており「未完」となっています。連載開始はなんと1975年というから驚きです。
平凡な少女・北島マヤが、ライバル・姫川亜弓との葛藤を通して眠れる芝居の才能を開花させ、成長していく過程を描いた演劇漫画です。アニメやテレビドラマも作られました。ちなみにテレビドラマの主演は安達祐実でした。
2017年に松屋銀座で開催された「ガラスの仮面」展で上映されたビデオのなかで、美内すずえ先生は「決してラストをあきらめたわけではありません」と語っていましたが……。
さて「紅天女」はどうなる!?
強殖装甲ガイバー/高屋良樹
SF漫画。太古の昔、謎の異星人「降臨者」が3つの「ユニット」を地球に残して去った。高校生の深町晶は偶然その1つを手に入れ、殖装体「ガイバー」となってしまう。降臨者の遺した技術を悪用し世界征服を目論む秘密結社「クロノス」に立ち向かうことになる。既刊32巻。第32巻が発売されたのは2016年2月26日。
この作品も何度も映像化されています。なんとハリウッドで実写化されたというからすごい。私は2005年にWOWOWで放送された新作アニメが好きでした。
漫画ではガイバーが巨大化(ギガンティックXD)します。ウルトラマンみたい。当時、巨大化はどうかなと思った記憶があります。既刊分の最後で、戦闘中に獣神将(ゾアロード)のひとりをギガンティックXD ダークネスの手がわしづかみにするシーンで終わっています。果たして続きを読める日は来るのでしょうか。
バガボンド/井上雄彦
吉川英治の小説『宮本武蔵』を原作にした時代劇漫画。概ね原作通りであるが、佐々木小次郎がろう者という設定など、井上独自の翻案されている部分もあります。既刊37巻。第37巻は2014年7月23日発売。そろそろ10年ぐらい放置されていることに……。
手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞など高い評価を得ているにもかかわらず、宮本武蔵のクライマックスである「巌流島の戦い」がいまだに描かれない。画竜点睛を欠くとはこのことでしょう。「なんだかな~」という読者からの声が聞こえてきそうです。まあ、アニメ映画「THE FIRST SLAM DUNK」を作ってるほうが面白いんだろうけど……。
おわりに
連載漫画は人気商売なので、途中で打ち切りになることもめずらしくありません。そうした分かりやすい例とは別に、なぜか休載になってそのまま放置されている人気作品も少なくありません。今回紹介した作品もそうした作品です。
もちろん作者たちには続きを描いてほしいし、ちゃんと完結させてほしいです。とは言っても、そのまま未完で終わることが多いのもまた事実。それもまた連載漫画の宿命というべきでしょう。