退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

宮本武蔵が現代に蘇るコミック『刃牙道』を読み終わった

板垣恵介による「刃牙シリーズ」第5部『刃牙道』(全22巻)を読み終わった。クローン技術と降霊術で蘇った宮本武蔵と、これまでのシリーズに登場した格闘家たちとの闘いを描く。

宮本武蔵が現代に蘇るという奇想天外な発想に驚かされる。ロマンがある。

武蔵は現代の格闘家の技術に驚くものの圧倒的な強さを世間に見せつける。しかし現代に武蔵の居場所はなく、殺人者扱いされて警察隊と一戦を交えることになる。ラストは刃牙と武蔵が試合し、ついには武蔵の魂は成仏し、肉体は永久保存されることになる。

刀を持った武蔵の戦闘力は圧倒的で、刀剣を使った戦闘シーンの描写には痺れる。いずれ武蔵は消える運命だと思いながら読んでいたが、案の定の結末でやや拍子抜けした。作者が飽きたのかもしれない。

漫画に野暮なことを言っても仕方ないが、警官隊の闘いでは警察側には長距離からのライフル狙撃もオプションとしてあったのではないか。それにしても警官が何人も武蔵に殺傷されているが、武蔵が消えてどう落とし前がついたのだろう。家族持ちもいただろうに救われないことだ……。

最終話では、古代相撲をテーマにした続編『バキ道』(カタカナになっただけなのはややこしい)の予告だった。現在も連載中のようだが、完結したら一気読みしたい。