上智大学短期大学部(神奈川県秦野市)は19日、2025年度から学生募集を停止すると発表した。24年度に入学した学生の卒業をもって閉校する。
上智大学短期大学部はかつては上智短期大学という名称で、上短(じょうたん)と呼ばれていた。私が上京した当時はたくさんの女子短期大学があった。私の周りでは、インカレなどを通して以下の3校がよく知られていたが、いずれも閉校となっている。
- 上短:上智短期大学→閉校へ
- 青短:青山学院女子短期大学→青山学院大学に統合
- 学短:学習院女子短期大学→学習院女子大学へ移行
18歳人口の減少、女子の共学・四年制大学志向などの社会状況の変化の影響により、女子短期大学は既に役目を終えたとも言える。女子だけの教育機関である女子短大は、社会の男女差別を前提したシステムの一部を担っていたことは明らかである。女子短大がなくなるということは、男女差別もなくりつつあるとくことだろうか。
まあ女子短大だけでなく、多くの女子大学も同じ理由で冬の時代を迎えている。最近でも名門とされてきた恵泉女学園大(東京都多摩市)が募集停止に踏み切ったニュースに驚いた人も多いだろう。
女子大学出身者の受け皿だった優良企業の「一般職」はもはや存在しない。保守的でなかなか変化できない日本社会も少しずつではあるが変わりつつある。このように女子短大が消えていくのは、その証左ともいえる。首都圏の女子大で生き残れるのはどこだろうと考えてみるのも一興だろう。