前作がよかったので、その続編にあたる本書も読んでみた。あいかわらず表紙のインパクトがすごい! カメラマンのセンスもすごい!。文章が読みやすくて冴える。文才あり。
宝塚歌劇団花組で活躍した天真みちる(てんまみちる)さんが、退団後の出来事を綴ったエッセイ集。
第一幕は「サラリーマン」として奮闘した軌跡を追い、第二幕はフリーランスをして独立したあとエピソードが綴れている。
入社後、新人サラリーマンとしてパソコン作業に悪戦苦闘しながらも押し寄せる仕事をバリバリこなしていくあたりはさすがというべきか。最初に務めていた会社はスキルアップのためにはよかったのではと思ったのもつかの間……。
7か月を経てまさかの独立。そしてスランプだったのか「断食道場」に行くことになり、「大丈夫かいな」と心配するも無事復活。その後、運命の出会い……。
この本でいちばん面白かったのは「結婚編」というか、運命の人「ひろくん」との結婚を決意するまでの一連のエピソード。「これは漫画かいな」というほどのドラマ性があった。ひろくんがガチのヅカファンで、しかも娘役を追いかけているレアな「設定」も楽しい。桃花ひなの結婚の報にショックを受けるあたりは痛快。こうした出会いて本当にあるんだなと感心することしきり。
通読して思ったのは、宝塚人脈のスゴさ、そして人材養成の装置としても優れているということ。面白かったです!