退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】天真みちる『こう見えて元タカラジェンヌです』(左右社、2021年)

めっちゃ売れているというので手に取ってみた。表紙のインパクトがすごい! カメラマンのセンスもすごい!

タイトルどおり、宝塚歌劇団花組で活躍した天真みちる(てんまみちる)さんが自身の宝塚時代の出来事を綴ったエッセイ集。ネットで配信されていたコンテンツの書籍化らしい。文章が読みやすいし面白い。

たそさんの初舞台は宙組公演「NEVER SAY GOODBYE」(2006年)だというから、タカハナ和央ようか花總まり)のサヨナラ公演。うーん、二人と同じ舞台に立ったとは、それだけでスゴいわ。花ちゃんファンなもので……。

退団公演は花組公園『MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎-』『BEAUTIFUL GARDEN-百花繚乱-』(2018年) 。ショウではエトワールで美声を響かせていたのももはや懐かしい。読んでいて、たそさんは管理職向きじゃないかと思ったが退団は残念。

音楽学校受験から音楽学校時代までの第一幕、宝塚歌劇団入団から退団までの第二幕という二部構成。ヅカファンなら知りたい、思わずニヤリとさせられるエピソードが満載。なかでも歴代花組トップスター(春野寿美礼から明日海りおまで)との関わりが印象的。やっぱりトップスターのオーラはすごい。

読み終わって思ったのは、当然ながらタカラジェンヌにはそれぞれの物語があること。こうした個性が集まっている宝塚歌劇団は特異な組織なのだとあらためて思った次第。こういうのを読むと宝塚歌劇団は不滅かもしれんね、と思ってしまう。

最後まで楽しく読めました。
余談だが個人的には管理職まで務めた娘役のエッセイが読んでみたい。

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