4月11日から地上波で放送するテレビ番組をネットで同時配信する「地上波リアルタイム配信」サービスが開始された。同日午後7時以降に放送する番組が対象で、民放公式テレビ配信サービス「TVer」で視聴できるようになった。
地上波リアルタイム配信を実施するテレビ局は、在京5局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、フジテレビ、テレビ東京)に加えて、在阪5局の計10局。ゴールデンタイムにキー局で放送される番組がネットでも同時に視聴できる。
最近はテレビを持たない若者も多く、そうした層への訴求が期待しているのだろうが効果は疑問である。スポーツなどを除き、リアルタイムでテレビ番組を観るメリットを見い出せないからである。だらだらとテレビをつけっぱなしにするなら別だが、そういうライフスタイルは絶滅している。
録画してからみれば、いつでも好きなタイミングで観ることができるし、CMをスキップすることもできる。さらに再生速度を早くして短時間に視聴することさえできる。こうしたメリットを捨てて、わざわざリアルタイム視聴することはないだろう。
それでも将来、テレビよりかなり先行しているラジオのインターネットサイマル配信「radiko」と同じ水準でサービスが提供されると飛躍的にブレークする可能性はある。radikoでは「タイムフリー」機能を使えば、放送されて1週間以内の番組をすべて聴取できる。この機能が素晴らしいすぎる。これと同じことがTVerでできれば、少しぐらい課金されてもサービスを利用したい。
最後に対象のテレビ局が「キー局」だけなのも面白くないことも付け加えておきたい。せめてTOKYO MXを仲間に入れてほしい。