土曜日の毎日新聞の朝刊一面の見出しが「AMラジオ大幅縮小へ ワイドFMに集約」だった。
記事の内容は、民放連が総務省にAMラジオ局がAM放送を終了して、ワイドFM（FM補完放送）に一本化することを選択できるよう、制度改正を求めるというものである。総務省の意向ではなく、民放連から行政に要請しているのがミソである。
在京民放3局は、現在、AM放送とワイドFMの２つでサイマル放送しているが、これを一本化したい考えだ。これには広告収入の低迷が背景にあり、設備維持の負担軽減したい意向があるようだ。制度改正が実現すれば、北海道などを一部地域を除き、民放AM放送が将来なくなる可能性がある。
ワイドFMについては、いいことしか書いていないが下の総務省のサイトに詳しい。
AM放送には、条件によって思いがけなく遠くの放送局の電波を受信できることもあり、昔、DXを楽しんだ人もいるのではないか。私自身も自分の部屋にテレビを置くことは許されなかったが、語学用ということでラジカセだけは持つことが許されていた。そんななか遠くの放送局の深夜放送にダイヤルを合わせて雑音のなかで聞いていた思い出がある。
このようなノスタルジーはまったく過去のことになり、いまではスマホさえあればradikoでいくら遠方の放送局の番組でもクリアな音声で聞くことできるようになった。隔世の感がある。
旧来のAM放送がなくなるのは時代の流れだろうが、その一方で欧州のようなデジタルラジオ放送が日本で普及する動きがないのはラジオ好きとしては残念である。
