DVDで映画『るろうに剣心 伝説の最期編』(2014年、監督:大友啓史)を鑑賞。和月伸宏による人気コミック「るろうに剣心~明治剣客浪漫譚~」の実写映画化第3作。主演は佐藤健。『るろうに剣心 京都大火編』に続編であり、二部作の後篇。
拐われた薫(武井咲)を助けるため、剣心(佐藤健)は、志々雄(藤原竜也)の鋼鉄船「錬獄」に乗り込むが、薫は海に落とされ剣心はそれを追うように海原に飛び込む。砂浜に打ち上げられて気を失った剣心を助けたのは、剣心の剣技の師匠・比古清十郎(福山雅治)だった。剣心は志々雄を倒すべく飛天御剣流の奥義を授けてほしいと願い出るが……。
本編は整理のつかなかった前編を回収することに汲々としていて冴えない。まあ漫画原作なのでいろいろ制約は多いのだろうが、もう少しどうにかならないものか。
一方、アクションは相変わらずよく出来ている。蒼紫、宗次郎戦、志々雄との戦いでアクションがどんどんエスカレートしていくのは素晴らしい。とくにラスボス・志々雄との戦いは圧巻。かつて戦った剣心のライバルたちとともに、志々雄に挑んでいくあたりは、ジャンプ漫画の王道。
一方、薫とのラブコメ路線は影をひそめてちょっとさみしい。ラストでは一連の事件が収束して、剣心たちが日常生活に戻ることになるが、そのみんなが求めていたはずの「平穏な日常」が十分に描けていないのが惜しい。手駒は十分あるはずなのに、それを活かせていない脚本は、アクションが素晴らしいだけに余計にアラが目立つ。