4月期の日曜劇場枠で令和版『ドラゴン桜』がTBS系列で放送される。三田紀房原作の漫画『ドラゴン桜2』が原作で、2005年に放送された『ドラゴン桜』(全11話)の続編となる。
新番組のプロモーションのおかげで、TVerで旧作が公開されていたので見てみようと思ったが、なんと全話公開されていない。視聴可能なのは第1回、第9回、第10回、そして最終回の4話のみ。「プロモーションやる気あるの?」と落胆していると、地上波深夜で再放送が始まった。平日の帯で放送するのかと思ったが、第3回までみたところでマスターズゴルフの中継のためしばらくお預けのようだ。
このドラマは、倒産寸前の底辺校・龍山高校にやってきた主人公の弁護士・桜木建二(阿部寛)が、龍山高校を超進学校として再生させようと、生徒たちとともに奮闘する姿を描く。なんと16年前のドラマである。
このドラマ最大の注目点は、原作漫画をテレビドラマにいかに設定変更しているかという点である。漫画の実写化は失敗することが多いが、本作については実にうまくテレビドラマ向けに翻案されていることは高く評価できる。原作が受験勉強のテクニックにフォーカスしていたのに対し、テレビドラマではヒューマンドラマを中心に置いていることが奏功している。
また出演者が豪華なのも特筆できる。主演の阿部寛の原作キャラの再現ぶりは言うまでもなく、パートナー教師・真々子先生役の長谷川京子のコメディアンヌぶりもかわいい。
そして東大クラスの生徒役の6人(山下智久、長澤まさみ、中尾明慶、小池徹平、新垣結衣、サエコ)もいま振り返るとなかなか豪華。新作ドラマの生徒役をほとんど知らないこともあり、どうしても両者を比べてしまう。
旧作の生徒役も当時は無名だったという人もいるが、山Pこと山下智久はジャニーズの有望株だったし、長澤まさみは東宝シンデレラ出身ですでにかなりネームバリューがあった。まあガッキーこと新垣結衣の変わりぶりには驚くが……。
とくに注目したいのは直美役の長澤まさみ。下は龍山に在籍しているからというだけで常連客にバカにされた直美が、一念発起して東大クラスに入ることを決意する重要な場面。
小料理屋を経営する、長澤まさみの母親役は美保純、店のリフォームを勧めるのは常連客役の石井愃一である。長澤まさみの16年前のかわいさたいへんなもの。ピチピチのTシャツ姿が眩しい。これだけでも新作は旧作を越えられない、と思ってしまう。
マスターズゴルフ終了後に放送される続きが楽しみである。