退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】加藤一二三『だから私は、神を信じる』(日本キリスト教団出版局、2020年)

「ひふみん」の愛称で広く親しまれる伝説の棋士加藤一二三キリスト教の魅力を伝える本。

だから私は、神を信じる

だから私は、神を信じる

筆者の輝かしい将棋人生の支えたのは信仰だったいう。「キリスト教の信仰によって、私の生き方や将棋は大きく変わりました。だからこそ、その魅力を多くの人に伝えたいのです」という言葉には重みがある。筆者がカトリック信者であることはよく知られているが、対局前には必ず教会で祈りをささげていたというのには驚いた。

ユニークなのは、「聖人を駒にたとえる」とういコラム。わかるようなわからないような……。

別のコラムには「オススメの音楽、文学、映画」を紹介している。こちらは映画『ベン・ハー』など定番のものが多い。

ベン・ハー 特別版 [DVD]

自身の体験に根ざして聖書やキリスト教の教義をわかりやすく語っていて、信仰者としての加藤一二三を知ることができる一冊。読み物としても面白い。きっとこの本で聖書やキリスト教をもっと知りたいと思う人も多いにちがいない。

語り口がわかりやすいのは編集者の手柄でもあるが、こうした布教関連の本をつくり慣れているのだろう。なかなか侮れない気がした。

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