退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ノア 約束の舟』(2014)

新宿ミラノ1で映画『ノア 約束の舟』(2014年、監督:ダーレン・アロノフスキー)を鑑賞。旧約聖書の創世記に記された「ノアの箱舟」の物語を実写化した大作。ノアに扮するのはラッセル・クロウ。その妻・ナームをジェニファー・コネリー、養女をエマ・ワトソンが演じる。

実は私は信者ではないが、聖書には興味があってたまに手にとってみる。聖書には数ページしかない「ノアの箱舟」の物語をどうやってエンターテイメント映画に仕上げるのが興味があったが、盛り上げるためか聖書には載っていない2つのポイントがあった。

一番目は、謎の巨人たちが登場するところ。この巨人がノアの方舟を建造するのを手伝ったり、方舟が襲われたときに守るためにノアとともに戦ったりする。この巨人はどこかの神話に依拠したものだろうか。

もうひとつは、洪水の予兆が現実になると、ノアの方舟を奪おうとする悪者が登場して、ノアとの間で戦闘シーンが描かれているところ。聖書では洪水にはまるで無関心のうちに全滅したはずだったが、映画を盛り上げるためだろうか。まあ見応えはある。

出演者では、どうしてもエマ・ワトソンに目がいく。大きくなったなと感慨ひとしお。彼女はノアの息子のハムと結ばれるわけだが、ここはひとつ体当たりの演技がほしかった。でも聖書を基にした話では無理というものか……。あと記憶が確かではないが、ノアの息子たちにはそれぞれパートナーがいたような気がするのだが、もういちど聖書をあってみたい。

ぶっちゃけ日本では聖書の物語は興行的にはきびしいだろう。実際、空席が目立っていた。キリスト教に興味のない人は、途中の会話劇はとくにつらいかも。それでも「天地創造」を最新の技術で実写化された映像を大きなスクリーンで見る価値はある。

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