DVDでドキュメンタリー映画『駄作の中にだけ俺がいる』(2011年、監督:渡辺正悟)を鑑賞。現代芸術家・会田誠の個展会場などで限定販売されていたドキュメンタリーが一般発売されてモノらしい。気になったので手にとってみた。
2009年夏、北京で制作中の会田に密着するなどして、鬼才・会田誠の世界に迫っている。北京のアトリアには私の好きな《灰色の山》の制作風景も収録されていて興味深く見た。展示会場に搬入してからも作品に手を入れる様子は貴重。
映画には会田の家族も登場しており、素敵な家庭を築いていることが伺える。とくに妻の岡田裕子はナレーションも担当していてなかなかいい。先日放送された「『プロフェッショナル 仕事の流儀』庵野秀明スペシャル」を見たときにも思ったことだが、クリエイターの成功はかなりの部分は奥さんにかかっているのではないか。それは会田にも当てはまっているように思えた。
映画のラストは個展を見に来た会田の両親が呆気にとられている場面で終わる。これはさすがに狙いすぎか。
さて私が会田作品に出会ったのは、2012年12月に六本木の森美術館で開催された個展「会田誠展: 天才でごめんなさい」を見に行ったときだ。思い切り炎上して話題になったイベントだった。そのときはどんな人なのかさっぱりわからんと思っていたが、このドキュメンタリーで動いて話している会田を見ることできていまさらながら不思議な気分になった。
そうは言ってもドキュメンタリーの撮影からすでに10年以上経っている。いまの会田はどうなのかと思っていると、偶然、少し前の経済誌「週刊東洋経済」のアート特集で会田を見つけた。見開き1ページでアートについて真面目に語っていた。固すぎる。
週刊東洋経済 2021/2/20号 [雑誌](アートとお金)
- 発売日: 2021/02/15
- メディア: 雑誌
最後まで見終わって気になるのは 息子の寅次郎のこと。いったいどのように成長したのだろう。大いに気になる。と思ったら、以下の記事を見つけた。成長していた。